日立社長交代

⇒「コングロマリット・プレミアムの時代が来る」---日立 古川新社長
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20051215/226336/


いやもう突っ込みどころ満載で、なんかの釣りかもとすら思えるのだが。



「(事業領域が多いために株価が伸び悩む)コングロマリット・ディスカウントと言われてきたが,むしろ様々な技術があるためにイノベーションシナジーが生まれるコングロマリット・プレミアムの時代が来る」
これは括弧でわざわざ補足した記者がどうかしてるのかもしれないが、コングロマリット・ディスカウントは株価が伸び悩むという現象を指すのではなく、多くの、それも相互にあまり関連のない事業をやっている会社は、それぞれの事業の事業価値を正確に把握することが難しいため、その会社の株一本では各事業の価値を低めに見積もった株価を形成してしまうということなんじゃなかったっけ。だからそれぞれの事業の事業価値を正当に顕在化させるために事業を切り出して上場したりするんだが。『コングロマリット・プレミアム』なるものがあるとすれば、日立はグループ企業を全て自社に統合すべきという話になるんだが、それやるとさらに株価落ちるだろ普通。
2003年に中期経営計画「i.e.HITACHIプランII」で,庄山悦彦現社長は“選択と集中”の方針のもと,売上高の2割に相当する不採算事業からの撤退という数値目標を掲げていた。この目標は達成されなかった
ようは白物家電事業から撤退する勇気がなかったってことなんだがな。
4月から代表執行役 執行役会長としてグループ戦略を担当する庄山現社長
なんか委員会等設置会社の役職は生理的に受け付けんな。『執行役会長』ってwwww
成熟市場と見られていた重電は「一挙に希望に満ちた事業になってきている。長く苦しんできたが,環境が一変してきた。グローバルに投資が好転している。・・・」
重電分野でいえばABBとかSiemensとかの業績を上回っているんだろうか?上回ってないとしたら循環的な環境変化ってことに過ぎなくて、ちょっと息継ぎして、また深く深く潜行してしまうんではなかろうかと。原油バブルに乗っかってると危ないと思うよ。
これに対して成長市場であるはずのハードディスク,フラット・パネル(PDPおよび液晶ディスプレイ),薄型TVの3分野が急激な価格下落に対応できず,赤字事業となっている。
イオニア乙。つかフラット・パネルと薄型TVは松下とサムソンの戦略にまんまとみんな乗せられてしまっただけなんじゃね?HDDに関しては何とかなるんじゃないかとここだけ楽観視してますが。
庄山氏:日立製作所のグループ企業は1100社を超える。・・・事業領域が広いので,コスト低減の余地もたくさんある。
いや、だからそれが「コングロマリット・ディスカウント」の原因w
(古川氏に決めた理由を聞かれて)庄山氏:人間性,誠実性,やる気,グローバル経験,いろんな意味で任せられる人と思った。また指名委員会の方に見ていただいた。
つか指名委員会はちゃんと他の候補を検討したんだろうか?庄山氏の推薦を追認しただけなんじゃね?という質問をなぜ誰もしない。委員会等設置会社にした意味がほんとにあんのかね、この会社?


がんばれという気もあまり起きないなあ。