軽装版 炎路を行くもの 守り人作品集 (軽装版 偕成社ポッシュ)


守り人シリーズの外伝。本編は全巻持っているんだけど、外伝はこの前に読んだ「流れ行く者」が今ひとつ響かなかったので、買う前に図書館で借りてみた。


関係ないが今の区立図書館ってすごい便利でびっくりした。蔵書をwebで検索できるくらいまでは知ってたんだけど、そこから区内の他の図書館の蔵書を最寄りの図書館まで取り寄せてくれて、さらに連絡メールまでくれるとかもう至れり尽くせり。これは区民税を払う甲斐もあるってもんだ。


さてストーリー自体はそれなりに面白く読んだが、一番「ほお」と思ったのが作者のあとがきだった。元々は「守り人」シリーズの長編の中に位置づけるはずだった作品だが、話の流れ上お蔵入りにせざるを得なかったストーリーを、中編の外伝として復活させたという経緯は意外だった。


元々この上橋菜穂子氏の創作スタイルは常人には理解出来ない類のものだなと常々思っていた。例えば以下の記事とか。


⇛ 上橋菜穂子【中編】自分の体が見えないように、自分の物語は見えない|書いた人に聞いてみた。|cakes編集部|cakes(ケイクス)


その意味で「出来上がっているけど今は物語上出せない物語がある」という判断するとか、この御方の創作スタイルというか創作能力というかは、まあやっぱり常人には理解も模倣もできないわー、と再認識。その意味で作品自体よりもその背景が面白いという一風変わった読書経験でした。



そういえば「獣の奏者シリーズ」は1巻で止まってることを思い出した。ちょっと楽しみが増えた気分。