デフレギャップ解消のプライオリティとモラル低下

asahi.com: 地方公務員の給与かさ上げ5県4市 04年度計33億円 - 政治
http://www.asahi.com/politics/update/0107/003.html


この手の記事を見たときに「まあそれで失業が回避されてたり、消費に回ってるとしたらいいんじゃね?」と思う俺がいる。


ただその後次のような色々な考えが頭をよぎる。

  • 「いやいや、給与のかさ上げ自体はよくないだろ」
  • 年功序列的に中高年に厚めに配分してるんだったらその金を若年層雇用に回せよ」
  • 「個別の事例は分からんが、公務員に限らず実質賃金が伸びてない業種って多いじゃね?」
  • 「とはいえ自治体が財政破綻して福祉予算なんかが削られたら元も子もないんだがな」


まあこの手のお手盛りのかさ上げは改善してもらうとして、現実問題として実質賃金はあがってんの?という疑問がある。もしあがってないとすればという仮定付きだが、この手の些細な不正は黙認されてもいいんじゃないかと思ったりする。ま、ちと公務員はやめとけとは思うが。


労働基準法無視のサービス残業の蔓延とか業績連動という名の賃金据え置き(ひどけりゃ切り下げ)とかいろいろとひどい状況があって、二極化だとか非正規雇用者の惨状だとか問題が色々ある中で、すこしでも賃金を上げようとするための些細な不正(残業代の水増しとかね)であれば、あまり突っ込みたくない気分になる。接待費とかもそうかも。


話はずれていく感じがして同じエントリの中で言うべきことではないのかもしれないが、公共事業とかもなんかある程度はばら撒きでいいじゃんと思ったりもする。たしかに効率化が必要な面は一杯あるし、そもそもの予算配分自体を抜本的に見直すべきだろという意見にも深く頷くが、歳出削減が大前提としておかれているのであれば現時点では反対したいという気持ちがある。


なんとなくもうちょっと経済全体でゆるゆる感があったほうがいいんじゃね?


定量的評価とか費用対効果とかって物言いは、その大前提として「支出カット」がこめられてるわけだろ。企業で言えば削ったコストは自社株買いとかにいっちゃってて、新規事業への投資とか従業員の給料とかには回ってきてねえじゃんという気になってしまう。株主重視とかの言い方も基本的には賛成するんだけど、それは景気が安定的に成長しているときに重視してくれればいいだろ、不況期にサプライサイドの締め付けやんないでくれないかなと思っちゃうわけだ。


ただ、これは見ようによっては単なるモラル低下にしか見えないんだよな。お手盛り感満載というか。でもこの辺のお手盛り感満載の施策こそ左翼的なんじゃね?とか最後に地雷を踏んでみる。