オンラインニュースの真の価値を知る方法


What if online portals had nothing but 'digital fish wrap'?


Freakonomics Blog » Another Way for Newspapers to Not Die」経由。


アメリカでは大手新聞社のオンライン事業が行き詰まっており、新聞ビジネスはダメなんじゃないかといわれているが*1、実は新聞社のコンテンツは本来の価値を正当に評価されてないよね、と。現在、オンライン上では記事がタダで見れるという状況がなぜか当たり前になっているんだが、このコンテンツの価値を顕在化させる方法があるというのが記事の趣旨。


方法はいたって簡単。


「全ての新聞社がオンラインにタダで記事を配信するのを例えば24時間後にすると取り決める」


お金を払ってる購読者にはリアルタイムで見られるようにしとくのは当然。こうすると、Yahoo!とかMSNとかGoogleには昨日の記事が掲載されることになる。ブロガーも昨日の記事で盛り上がるしかない。


で、これをやられるとどれくらい不便かを実感させれば、リアルタイムで信頼できる記事が配信されるということの価値を正当に評価するというきっかけになるんじゃねえの、という話。


当然のことながら、カルテルとかには引っかからないように工夫しないといけないが、面白いアイデアだと思う。このアイデアのポイントは、決して購読者とタダで読む読者との間で記事は変えず、それが手に入るタイミングだけをずらすという「時間」の価値に着目した点。


これって別のビジネスでは既に効果が実証されてる手法だったりする。例えば出版。ある作者のファンの人は新刊を買う。そんなに熱心でもない読者はより安い文庫本が出るまで待つといった話。ゲームの中古市場なんかもこの「新作をすぐにプレイしたい」という「時間」を買う人と、「プレイさえ出来ればいいや」と「時間」に価値を見出さない人の差を利用した商売と考えることも出来る。


オンラインの収益は現在では広告に大きく頼っているわけだが、これだけでは記事を生産するコストがまかなえないというのがアメリカの昨今の新聞ビジネス事情。アクセス数以外に、「時間」という価値を顕在化させるという方向性を検討することは十分ありだと思う。


日本の新聞社はネット上ではデータベース化した記事に付加価値があるというビジネスモデルをとっているが、これは検索性とかに価値の源泉を仮定していると言えるかなと。日本の場合はまだまだ戸配の売上が大きそうなので、オンラインの収益化を急ぐ必要はないという見方も出来るかもしれないけど、どうなんだろう?

*1:ただし、一部の投資家は最近新聞社を買収しまくっており、まだまだ新聞ビジネスはやりようによっては儲かるんじゃないかと思われだしているらしい