どうでもいい話


地下鉄に乗っているとふと、BRUTUSの最新号の中吊りが目に付いた。


すると突如僕の中に「駅のトイレの個室が見てみたい」という欲求が沸き起こった。理由はわからない。ただ、突然、僕の心の中に「駅のトイレの個室」の映像が鮮明に浮かんだ。そしてその思いはますます強くなってくる。


僕は早速電車を降りた。そうだ、最近久しく駅のトイレの個室なんて見てないから、じっくりみるのもたまにはいいかもしれない。そう思ったので、売店BRUTUSを購入した。


駅の表示板を見ると、この駅のトイレは階段を2階分上がらないといけない場所にあるらしい。たまにしか見ないんだから、こういう風にちょっとアクセスの悪いトイレのほうがありがたみがあるかもなと思って階段を昇った。


そういえば最近メタボとかうるさいよな、と思ったので、次の階段は一段飛ばしで駆け上がった。


トイレが近づくにつれ自分の足取りが速くなることに正直驚いた。ああ、僕はこれほどまでにトイレを見ることに飢えていたのかと。


ほとんど小走りの状態でトイレの個室に駆け込んだ。もうそのときには僕の中の「駅のトイレの個室を見たい」という欲求は体の隅々にまで膨張していた。他人の目なんて気にならなかった。


扉をあわただしく閉めた。じっくりと鑑賞することが出来た。


しばらく個室を眺めては手元のBRUTUSに目を落とす。トイレットペーパーの白さがやけに新鮮だ。後ろからは波の音が聞こえる。知らないうちに駅のトイレの個室は五感で感じるものに変貌していたんだな、と思った。そうしてしばらくの間過ごした。


ああ、なんだかやけにすっきりしたなと思い、僕は再び目的地に向かう電車に乗り込んだ。








結論:BRUTUSの今週号は糞だ


参考:Irresponsible Rumors 2008