リチャード・ファインマンがマイクロソフトの採用試験を受けたら


ちょっと面白かったので。


⇒ If Richard Feynman applied for a job at Microsoft - sellsbrothers.com http://www.sellsbrothers.com/posts/details/12395


以下、拙訳。

面接官
ではロジカル・シンキングの質問に移らせていただきます。あまり難しく考えずに、日常の常識で考えてください。またそう考えたプロセスも述べてください。それでは質問です。なぜマンホールの蓋は丸いのでしょうか?
ファインマン
すべてが丸いわけではないです。四角いマンホールの蓋も存在します。たしかに丸いマンホールの蓋存在するのは確かですが、正方形や長方形四角や三角の蓋も見たことがあります。
面接官
いえ、丸いものについてのみ考えてください。なぜ丸いのでしょう?
ファインマン
丸いものについてだけ考えるのであれば、それは定義によって丸いことになります。その命題はトートロジーですね。
面接官
あー、ではなぜ丸い蓋が存在するのか?という質問にしましょう。その場合、蓋を丸くするなんらかの理由があるはずですよね?
ファインマン
ありますね。丸い蓋は、覆う穴が丸い場合に利用されます。丸い穴を覆うには丸い蓋を用いるのがもっともシンプルな方法です。
面接官
四角の蓋よりも丸い蓋が持っている有利な特質は思いつきませんか?
ファインマン
そのご質問にお答えするには、その蓋が覆っているものについて考える必要があります。蓋によって覆われている穴が丸いのには理由があります。それは周りの地面からの圧力に対して最も強い形状は円筒形だからです。また、「マンホール」という言葉は人が通過するのに十分な広さがあることを暗黙の前提としています。そしてハシゴを降りるヒトの断面はほぼ円形といって差し支えないでしょう。つまり円筒形こそがマンホールの自然な形態であり、それを覆う蓋も単に円筒を覆うために必要な形になっているわけです。
面接官
安全上の理由があるとは思いませんか?例えば四角い蓋だと中に落ちてケガをしてしまうといった。
ファインマン
考えにくいですね。例えば金庫などでは四角い蓋が利用されています。当然穴も四角です。蓋は穴よりも大きく、すべての辺に沿って「ふち」があり、中に落ちないように支えています。このような蓋は通常硬い金属でできており、大変重たいものです。例えば一辺が2フィートの四角い穴に対して、1.5インチの「ふち」を持った蓋を考えてみましょう。その蓋を落とすためには、まず一辺を持って30度回転させ、さらに重心が穴に落ち込まないようにした上で水平面から45度近く持ち上げる必要があります。確かに可能ではありますが、滅多に起きることではありません。マンホールの蓋を開ける権限を持った作業員に安全な作業手順を訓練することは簡単でしょう。通常のエンジニアリング的観点で言えば、マンホールの蓋の形状は、覆われる穴の形状によって決定されることになります。
面接官
ちょっと失礼します。上と相談してきます(部屋を出る)


(10分後)

面接官
あなたをすぐ採用するようにとマーケティング部門に推薦することにいたしました。


追記(2010/11/16):"rectangular"をなんで「三角」と勘違いしてしまったのかw ご指摘多謝