12大事件でよむ現代金融入門
「金融リスク管理を変えた10大事件」が金融リスク管理の発展をわかりやすく鳥瞰してたので、二匹目のドジョウを狙って買ってみたけど、ハズレだった。
ニクソン・ショック以来の金融の事件について、その前後関係や、そこに至るまでの経緯や背景、また各プレーヤーの行動などが簡潔にまとめられてる、と思う。が、それ以上ではない。あと金融政策についての理解が理論的ではなく、政治的な枠組みで語られる傾向がある点も気になった。著者は主に金融機関のディーリングの現場での経験に基いて執筆しているらしいので、しょうがないかも。
ただ、上記「金融リスク管理を変えた10大事件」も金融機関の現場(こちらはリスク管理)での経験に基いて、金融業界(と当局)がどのような事件・事故を契機にリスク管理(規制と同義とも言える)の高度化(規制強化とも言える)を行ってきたかのメカニズムや因果関係がわかりやすいのに対して、この本はそこまでの構造化はなかった。まあ「入門」とタイトルで謳っている本にそこまで要求するべきではないとも思うが。
というわけで書影についてはおすすめの「金融リスク管理を変えた10大事件」の方を掲載する(おい)。
- 作者: 藤井健司
- 出版社/メーカー: きんざい
- 発売日: 2013/07/16
- メディア: 単行本
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