Wal-Martはすごい、という話
⇒EconLog, Jerry Hausman on Wal-Mart
要旨
- Wal-Martがサプライヤーに低価格を要求することは、価格を限界費用近くに押し下げる効果を持つ
- この効果は、不完全競争化の供給者に規制をかけ、供給曲線を押し下げるのと同じような効果を持つ
- このことにより、消費者余剰が増える
- 食料品に限って試算した結果、Wal-Martの低価格戦略により消費者余剰は25%も拡大した
- GDPに占める食料品の割合は12%なので、12%×25%=3%、つまりWal-MartはGDP3%に相当する消費者余剰を生み出しているのだ
- しかも、この消費者余剰はCPI(消費者物価指数)には現れない(サービス品質の低下と扱われてしまう)
- そして最も重要なことは、この消費者余剰の50%以上は低所得者層が享受している
- この低所得者層に消費者余剰が流れていることを考えれば、アメリカの中流が停滞しているというのは統計の幻想ではないか
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最後の一節("That stagnation is probably a statistical mirage.")にアメリカらしさを感じたりするわけですが、へえという話。
ちなみにJerry HausmanさんはMITの経済学部の先生。
日本だと100円ショップとかになるのかね
仮に日本の100円ショップや家電量販店なんかの似たような消費者余剰への貢献が、Wal-Martほどではないだろうがある程度存在するとすると、CPIの上方バイアスはもっと大きいのかも。
だからやっぱり今はデフレ状態だったんだよ! な、なんだt(ry