バレンタインデーとホワイトデーの『先後』は振り駒で決めるべきだ


バレンタインデーとホワイトデーの関係は不公平だ。


なぜなら、常にバレンタインデーたる2月14日が先手だ。先に相手に何かを渡す、言い換えれば先にアクションをとる。これは「先手」以外の何ものでもない。そして、これによってチョコレートなんかをもらったほうは、3月14日のホワイトデーを迎えるにあたって無条件に「後手」にされてしまう。


プロの将棋では先手の勝率は53%程度といわれている。全く先手後手の有利不利がないゲームであれば先手も後手も勝率は50%に漸近するはずである。しかし、最高峰のプロ棋士であってもやはり後手は不利なのだ(羽生でさえ、後手の勝率は低い)。


しかるに、一般的な男性は仮に義理チョコであっても、2月14日にチョコをもらった時点で、その勝負はすでに後手を引いているのである。これは明らかに不公平だ。先手の利を活かす機会も与えられずに不利な後手を押し付けられる現状には看過しがたい不公平がある。




そこで僕は提案したい。




「バレンタインデーとホワイトデーの先後は、毎年1月1日に振り駒で決めるべきである」




「歩」が3枚以上なら、今まで通りバレンタインデーは「2月14日」ホワイトデーは「3月14日」。「と」が3枚以上なら、今までとは逆にホワイトデーが「2月14日」バレンタインデーが「3月14日」とするべきだ。


こうすれば、「と」が三枚以上出た年には先手番を握った一般的な男性は戦形を選べる。『義理』クッキーを送るか、送らないか、もしくは『2月14日に設定されたホワイトデー』自体を無視するという選択肢が生じる。


さらに後手番に回った一般的な女性は戦形が限定される。なぜなら、3月14日に義理チョコを渡したところでそれを回収するホワイトデーは存在しないからだ。そうすると、ようは義理チョコを相当程度抑制することが可能になるのである。『手損』をしてまでチョコを渡すのかという話だ。言い換えれば、『ホワイトデー』が先手番を握れば、たかだか500円程度の義理チョコのお返しに頭を悩ませる必要はなくなるのである。


過去に「チョコレート等の特定贈与等による心理的外傷の防止に関する法律案」なる法案*1が上程されたと聞いているが、この法案はバレンタインデーとホワイトデーの間の動学的不均衡性に対する視点を書いた欠陥法であると言わざるをえない。


僕の提案しているこの方法は、ホワイトデーが一方的に後手番を握らされている現状に対する最も合理的な解決法だと信じる。

*1:bewaadさんのところは現在過去ログが見れないのでとりあえずGoogleのキャッシュで