日本未来図2030 20人の叡智が描くこの国のすがた


未来予測というよりは、各分野のそれなりの人に日本の課題とそれに対する政策提案を自民党がまとめた本。講演の速記を文章にまとめたとおぼしき文章が多い。


いくつか拾い読みした中で「ロボットは東大に入れるか 国立情報研究所 新井紀子教授」は面白かった。人工知能分野での開発競争で日本はどのようなポジショニングを狙うべきかを意識した論考で、「純粋な研究者」の視点からはあまりこの手の戦略は出てこないなあと感心。また人工知能ロボットが日本の誇る「安価でスマートな労働力」である低賃金労働者たちを駆逐した場合の失業問題の脅威を警告してるのも素晴らしいと思う。中西準子先生あたりと対談やってくれないかな。


それ以外はまあねえという感じ。藻谷さんとか武藤さんとか寺島さんとか増田さんとか山中さんとか野衣さんとかならんでるけど、それぞれの主張が目新しいってわけでもないし。


巻末にこのプロジェクトの主体である国家戦略本部に参加した自民党議員の感想文が集められているが、その中に同級生の文章を発見して苦笑するなど。




2030年の世界経済―新興国と先進国 共同リーダーシップの時代

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2030年 世界はこう変わる アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」

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日本未来図2030 20人の叡智が描くこの国のすがた

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