どこまで遡るべきか
記録したいものがあれば記録すればいいじゃないここはあなたのブログなのよ(雷の声で)
フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち
「マネー・ボール〔完全版〕」でお馴染みのマイケル・ルイスの新著。元々ソロモン・ブラザーズの債券営業マンだし、LSEで経済学修士とってるし、「世紀の空売り―世界経済の破綻に賭けた男たち (文春文庫)」の著者でもあるので、「秘密の金融マーケットの裏側」系ネタではあるが安心して読める。12月の頭に買ってそれなりに読み進めたあとほったらかしてたんだがそれを片付けた。ログを意識するとこういう中途半端な本が減っていいよね!(鼓舞)
本書の内容については各所から賛否様々な反応があったが、この本の一つの主役であるIEXが現在も頑張ってるのを見ると(http://iextrading.com/insight/stats/)、この手のニーズが存在したことは証明されたのかなと。
日本の金融関連有識者の方たちの反応はこんな感じ。資本市場研究会が出してる「月刊 資本市場」から。
- 「HFT(高頻度取引)をどう捉えるか〜米国での議論を再燃させた『フラッシュ・ボーイズ』を踏まえて〜」 公益財団法人 日本証券経済研究所 主任研究員 福田 徹(PDFファイル)
- 「HFT(高頻度取引)と複雑化する米国の株式市場構造」 野村総合研究所 主席研究員 大崎 貞和(PDFファイル)
本書の巻末にはFACTAの阿部編集長による安定したFACTA節の解説もあり。ただ日本の最良執行方針はかなーり顧客側を保護する方針になっていると思われるので、この手の「フロントランニング」まがいの行為は日本では起きにくいと思う(FX?(∩゚д゚)アーアーきこえなーい)。それよりも日本のファンドマネージャーのアノマリーの方をだなあ(ry
- 作者: マイケルルイス,Michael Lewis,渡会圭子,東江一紀
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/10/10
- メディア: 単行本
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情報処理 2015年01月号
ちと調べ物で。
この号のシンギュラリティ特集は色々と面白かった(ちょっと記事内容の重複が多いなとは感じたが)。久々に郡司ペギオ幸夫氏のお名前を見かけたりしてほうと声が出たり。あ、人口知性戦争の分類でいえば、わたくしおそらく楽観的宇宙派です。「『超知性』は多分出来ないし、仮に出来てもすぐに人間を相手にするのがバカバカしくなって【42】とディスプレイに表示して人間の相手はやめるだろう」と思ってるからです。「ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)」とか、「太陽の簒奪者 (ハヤカワJA)」とか。ドイッチュあたりからは「この隠れ帰納主義者の地球派め!」と罵倒されるかもですが。
それよりもちょうどタイミングを同じくして放送されたhttp://www.nhk.or.jp/nextworld/の第一回の放送内容にげんなりしたのをここに記しておきたい。インタビューなどはかなり充実してて良かったんだが、ドラマが最悪。主人公が使うコンシェルジュAIのUIがすべて「○○の可能性がx%に上昇しました」というもの。人間にとってパーセント表示(とその増加減少)の認知・理解ってすごく難しいと思う。視聴率しか見てないテレビ関係者にはそのへんの想像力はないんだろうかなあ。
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