エロい人(kaikajiさん)が教えてくれたよ!(2007/3/29追記)


上のエントリに関してkaikajiさんにトラバで教えていただきました。

梶ピエールの備忘録。中国の金融政策・次の妙手なるか
⇒ http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20070327#p1

新たな運用会社の発行する債券による段階的売りオペが狙い


まず僕の疑問だった「売りオペしないっていってるけど?」という点について、これは僕の勘違いだった。上記エントリの記事の引用で「中国政府が人民銀から外貨準備を購入するために元建て債を発行するとのうわさについては「事実無根」だと述べた。」というのを見て、「売りオペしない」と思ったんだが、これは主語が違うんだな、と。


ようは『中国政府』は債券発行なんてしないけど、新たに設立する運用会社が債券を発行し、それを中央銀行米国債などと引き換えに引き受け、そして中央銀行はこの運用会社が発行した新規債券を段階的に市中に出すことで売りオペを行うということなんだな、と。


普通の中央銀行が行う為替介入による不胎化の場合、既に中央銀行が持ってる国債とかが市中からの流動性吸収に使われると思うんだが、中国の場合、既に中央銀行保有する国債は底をついててしまっていた。なので、中央銀行が独自に手形を発行してたりしたんだがこれにも限界がある(この手形は償還期間が短いし、金利負担もバカにならない)。なので、新たに資産運用会社を作って、ここが発行する債券を新たに市中の過剰流動性を吸収する材料としようということなんだろうなと。これだと金利負担もないしね。


ただ、運用会社の運用益がうまいこと上がらないと逆鞘になっちゃうんだろうなあとは思うが。あとあまり大規模に米国債を他の運用先に振り替えちゃうと、それはそれでドル安につながると思うので、元高圧力がさらに強まる可能性も否定できないかなとも思う。

為替の即時自由化はショックでかいから段階的にね


これについては三つほどの理由が上げられている。

  1. 債権の売りオペを段階的に進めることによって、中央銀行の主導による「漸進主義的な金融引き締め」が行えること
  2. 為替レートの急激な上昇による国内産業への打撃を押さえることができるという利点
  3. この売りオペを通じていまだ未発達な国内CP市場、さらには資本市場全体の育成を図れること


にゃるほど。上記二つについては実は僕もそうだよなあとは思うんだが、結局のところ将来的には為替は自由化するしかないと思っているし、まあこれはブログだから煽っとけという安易な気持ちもあるし(←おい)で、中国の金融政策当局のやってることをあまり評価しないスタンスで書いてたりする。いや、でも実際はぎりぎりのところで妙手をなんとかひねり出してるという意味では「やるじゃん」ということを認めることにやぶさかではございません。ええ。


ただし、三つ目についてはサンフランシスコ連銀から「そんなことより銀行の効率化しろよ」と突っ込まれているらしい。

で、やっぱり中央が地方のマクロコントロールをどうやって行うかだよなあ


主に財政政策の話ね。


金融政策は引き締め的に推移しても、財政政策が拡張的だったりすると結局は適切なマクロコントロールはできないしな。


あと、kaikajiさんはコメントで「中国国内の市場は統合されてないから、地域ごとに経済状況が異なっているので、中央で一括してコントロールするにも限界がある」という趣旨のことを述べられているが、それなんてEU


EUも例えばスペインとかアイルランドでは景気がよくて、ドイツとかフランスでは低迷してたり、トルコが新たに加わることで低賃金労働者がいっせいにドイツとかに流れ込んで、これがデフレ圧力になる国も出てくるとか加盟国によって景気の色合いはまちまちなんだが、EU中央銀行は加盟国が独自で金融引締めをやったり緩和をやったりすることにあまり言い顔をしない。


で、結局はあるところでは「緩和しすぎ」で、あるところでは「引き締めすぎ」というちぐはぐな金融政策運営に陥ってしまっていたりする。マーストリヒト条約は無意味だとクルーグマンあたりが言っていたなあとか思い出す。


中国の状況もこれに近い構造をもっているのかなとか連想しますた。