ブラインフレに関する考察(1)
追記:ブラインフレに関する考察(2) - I 慣性という名の惰性 I
この記事のはてブに衝撃の事実が。
⇒元記事:livedoor ニュース - 日本人男性の6割が巨乳を「嫌い」だと答えている
⇒はてなブックマーク - livedoor ニュース - 日本人男性の6割が巨乳を「嫌い」だと答えている
pal-9999 ってか、Cカップが巨乳でなくなってしまった時代なのが問題。おっぱいインフレのせいで、Cがスタンダートな大きさとか宣伝されてるし。
welldefined id:pal-9999 話が逆で、かつてブラのサイズが切り下げられたのであります。ブラインフレ。
ブラの世界にもインフレが!!111
本エントリではこの事実を検証してみたい。
CPI
そもそもわれわれの世界認識には限界がある。おっぱいの「真の値」を知ることは計測精度の問題もあり、あくまで近似値でしか捉えられない。その意味でおっぱいの「真の値」の近似値として「ブラのサイズ」が有効な指標として広く一般に用いられてきたことは周知の事実である。
この「ブラのサイズ」は「カップ・パッド・インデックス(Cup-Pad Index:CPI)」として指標化される。
このCPIには通常の総合指標としてのCPI以外に、以下の参考指標も算出されている。
- パッドを除いたもの:コアCPI
- パッドおよび「よせてあげる」効果を除いたもの:コアコアCPI
しかしながら上記はてブコメントによれば、この「CPI」にある種の上方バイアスが存在する可能性が指摘されている。
本エントリではこのバイアスの可能性を検討してみることとする。
おっぱいは本当に大きくなっているのか?
まず、大前提としておっぱいの「真の値」の変動を検討すべきであろう。ここでは経済産業省による「人間特性基盤整備事業(size-JPN)(委託先:社団法人人間生活工学研究センター)」の調査結果を用いて、おっぱいの経年変化トレンドを見てみることとする。
この調査報告書の「4.【別紙】57項目平均値データ(PDF形式:210KB)」p.9に興味深いグラフが掲載されている。
このグラフでは、2004-06年と1992-94年の結果が比較されている。グラフを見る限りでは、主に34歳以下ではバスト囲(いわゆるトップバスト)では顕著な変化は見られない。また、UB囲(いわゆるアンダーバスト)においてもあまり顕著な減少は見られない。
一般にトップバストとアンダーバストの差が2.5cm増加するごとにカップは1サイズ大きくなる。この二つのグラフから考えると、カップサイズの変化(トップとアンダーの差分の2.5cm以上の変化)が生じているとは考えにくい。
この調査結果から、34歳以下の女性において1992-94年から2004-06年の期間にかけては、おっぱいの「真の値」に統計的に有意な増加は生じていないことがわかる。
カップサイズの上方シフトは起きているのか?
では、カップサイズのほうはどうであろうか?ここでは別のデータからこの変化を検証する。
⇒日本女性のブラジャーの平均サイズは? | エキサイトニュース
この記事に興味深いデータが掲載されている。
1980年:Aカップ58・6%/Bカップ25.2%/Cカップ11.7%/Dカップ4.5%
1990年:Aカップ32.3%/Bカップ30.5%/Cカップ21.4%/Dカップ10.0%/Eカップ5.6%/F0.2%
1992年:Aカップ25.9%/Bカップ28.3%/Cカップ24.1%/Dカップ12・8%/Eカップ7.8%/F1.1%
1996年:Aカップ23.8%/Bカップ34.2%/Cカップ23.9%/Dカップ11.7%/Eカップ4.4%/F1・8%/Gカップ0.2%
2004年:Aカップ10.2%/Bカップ27.8%/Cカップ27.8%/Dカップ21.5%/Eカップ10.0%/F2.1%/Gカップ0.6%
グラフ化したのが以下のチャートである。
このチャートを見ると明らかにカップサイズは大きくなっており、2004年にはCカップはBカップと並んでトップシェアのカップサイズとなっている。
つまり、おっぱいの「真の値」は有意に変化しているわけではないのに、カップサイズには有意な上方シフトが見られるのである。この結果、やはりCPIという「近似値としての指標」には近年なんらかの上方バイアスが存在する可能性が強く示唆される。
この上方バイアスを生み出している原因はなにか?
参考:物価指数の信頼性
ボスキンによればCPIの上方バイアスを生み出す可能性として以下の4つのバイアスが指摘されている。
- 代替効果バイアス:CPIは、カップサイズを自己申告で固定している(見栄っ張り指数)ため、ワンサイズ上のものを買うという代替効果が反映されない
- 海外ブランドバイアス:サイズ表示の異なる海外ブランドでの購入がより頻繁になったとしても、CPIにはそうしたサイズ表示間の代替効果が十分に反映されない
- 品質変化バイアス:新製品等によってよせてあげる効果に変化が生じた場合、カップ調査の対象となるブラの変更が行われるが、その際の品質変化を十分に調整することができないため、おっぱいの真の値の上昇を過大評価してしまう(よせてあげる効果向上を過小評価してしまう)
- 新製品バイアス:CPIの目は、数年に一度の基準改定時にのみ追加・変更されるため、新製品が出てもCPIに含まれない、もしくは、ラグをもってしか含まれない。この結果、新製品が登場してから数年間のうちにしばしば生じる大幅なよせてあげる効果がCPIに反映されない
一方で、これらのバイアスに対する反論も存在する。
- 代替効果によるバイアスは、正直つっこまないで欲しい
- 海外ブランド品を購入しているものの占める割合は小さい(15%程度)。
- 品質変化については、上方バイアスだけではなく、下方バイアスをもたらす場合もある(特に、ストラップレスなどのブラによる持ち上げ効果の減少が反映されない場合)。
- 新製品が一般に普及するのは、効果が確定してからであり、いきなりヌーブラなどに飛びつく層の行動をCPIに反映させるべきではない。
これらの反論の存在は確かに軽視すべきではないが、検討の結果、やはり「CPIには確かに上方バイアスが存在する」との結論に達した。
考察
ここまでCPIの上方バイアスについて検討してきたが、おっぱいの「真の値」が上昇することそれ自体が、おっぱいによる厚生の上昇に単純につながるわけではない。この考察のもととなった記事のはてブにも以下ような意見が存在する。
kokorosha レディの乳房の良し悪しについては、大きさよりもはるかに重要な要素がある…しかし、それは重要すぎるため、男たちはそれを口にしないし、ぼくもブクマの字数が尽きてきたので、それについて書くことはできない。
さあ、ご一緒に。
_ ∩ ( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい! ⊂彡
次回は、このCPI上昇と失業率の関係について考察する。